裏五頭新聞の続き

Posted at 07/17 山荘のくらし »

釣り人と別れ沢を横切り山へ入る。老人は歩きながらその場所の地名などを教えながら進んでいく。

中ノ沢川

沢の音がザ-ザ-からゴ-ゴーに変わった老人は立ち止まり右側の遥かしたの斜面を指を指すと「これがマガリ滝っていって登れねんだ。この滝上に行けば釣れるんどもな」きっとさっきの釣り人を連れてきたかったのたろう。

ブナ林

再び歩き始めるとブナ林に入った。直径1メートルはあろうかというブナの木が天に向かって静かに伸びている。天然の林という雰囲気だ。気持ちが良い。さらに進み出発から1時間、巨木杉の所で休憩。幹周り7-8メータはあるだろう杉だ。今日の目的地の中間位だった。10分位休憩をとり出発した。

巨木杉

60度の谷の斜面を真横に伸びた細い木をつかみながら先に進む。しばらく歩くともろい岩肌のような所になった。先日買ったスパイク地下たびが効果発揮だ.すべらない。老人は黙々と進む、地滑りがあったのか5メートルくらいの間下のほうは木がない所に出た。斜面の下に沢が見える。60メートルの高さだ。滑って落ちたらおしまいだ。慎重に老人の後についていく。あと少しで岩肌を通り過ぎると思った瞬間老人の体が浮き谷の方に傾いた。「あっやばい」と思ったら老人の体がピタッと止まった。老人の左手にはわずかに出た木の根が握られていた。山歩きに慣れた老人は心配は無用と言うようにどんどん先に進んでいった。
                  つづく

老人

裏五頭山荘

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